めぐるほん裏話

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新人賞を取るためにⅤ[2010/02/18 00:00]

エンターテインメントと純文学の違いについて、
前回に引き続き、項目別に書いていきます。

以前の投稿はこちらです。参考程度に読んでみてください。
 新人賞を取るためにⅠ
 新人賞を取るためにⅡ
 新人賞を取るためにⅢ
 新人賞を取るためにⅣ


読後感

エンターテインメント
すっきりする。ああ、こうだったのかと万人が納得する。
二回目を読む必要がない。
「答え」を求める


純文学
モヤモヤする。なんだったんだろうと考える。
また読んでみたいと思わせる。
「問い」を求める。

純文学の問いは、決して正解が出せない問いになります。
日本経済は今後どうすればいいか? という問いは、かなり難しいですが、
回答はあります。
罪と罰のように、正当化される殺人はあるのか? というような問いは、
普遍的でもあり、未来永劫回答が出るものではないでしょう。
問いは、手ごたえ、と例えられることもあるようです。
それが何か分からないが、確かに手ごたえは感じる、
というようなニュアンスです。

問いは必ず、人の共感を得るものでなくてはなりません。
全員の共感ではなくてもいいですが、完全に個人的な問いだと、
読者もしらけてしまいます。
純文学系の小説では、孤独や絶望、閉塞感などが描かれますが、
それが個人的なものではいけません。
職場のコイツに苛められて、日々辛い、というような心情吐露では、
しらけてしまう可能性大です。
少し距離をとり、客観的に自分の問いを見つめ直しましょう。


理想と現実

エンターテインメント
どちらかというと理想。こうなった場合こうなる、というような
筋道がきっかり立てられている。

でも、ご都合主義はいけません。
最低限のリアリティは保ちましょう。
ストーリー展開に作者の意図が見え隠れするだけで、
読者はしらけてしまいます。


純文学

どちらかというと現実。

推理小説など、ストーリー展開が重要な小説は、
会話の中で説明させたり、展開させたりしますが、
現実には、そんなことはほとんどないでしょう。
会話はむしろ、結構かみ合わないものです。
何となく分かった気持ちになっているだけです。
そういうのを描くとそれらしくなってきます。


語り口

エンターテインメント
直線的。

先ほども言いましたが、全てがオチに繋がるように書きます。
何気ない挿話や、突拍子もないことが、
実は全てオチに繋がります。
これがうまいこといくと、読んでいて本当に気持ちがいいものです。
スカッとします。


純文学

寄り道的。

これはエンターテインメントと真逆で、
どれだけ関係ないことを書けるかということが大切です。
寄り道をすることで、登場人物や背景が深まります。
どんどん掘り下げましょう。


と、まあこんなところです。


ある文芸誌の編集長をやっていた人が、
小説には、ジャンルらしいジャンルというものはなく、
あるのは、いい小説、悪い小説の区別だけがある、
と言っていました。
そのとおりだと思います。

上の分け方は、小説を書き始める、あるいは賞に応募する場合にのみ、
参考にすべきであって、本来は、自分に切実な問題、あるいは得意な分野を
気の赴くまま書くのが一番いいのではないかと思います。

その上で、自分はどっちよりか考える参考にするのもいいでしょう。


さて、次回でこのシリーズも最後となります。

最後は、賞に応募するにあたって、絶対にしてはいけないこと、
について書きたいと思います。

更新頻度が遅いですが、気が向いたら最後までお付き合いください。

新人賞

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