このシリーズも第4回を迎えました。
もう少しで終わりです。
以前の投稿はこちらです。参考程度に読んでみてください。
新人賞を取るためにⅠ
新人賞を取るためにⅡ
新人賞を取るためにⅢ
今回はエンターテインメント系と純文学系の小説と、
比較検討したいと思います。
くどいようですが、これは新人賞に応募するにあたって
気をつけるべきことです。
エンターテインメントと純文学を明確に定義づけるものではありません。
どちらかといえば、その二つの境目はぼんやりしています。
書き続けるに当たっては、自分はエンターテインメントだ、とか、
純文学だとか、決め付ける必要はないと思います。
ただ、新人賞に応募するに当たっては違います。
それぞれの新人賞には特色があって、どんなにいい小説でも
純文学系の新人賞でエンターテインメント小説は受賞できません。
簡単ではありますが、各項目ごとに比較していきたいと思います。
共通点
どちらにも「驚き」が必要
新人賞なので、うまいというより、驚きが必要になってきます。
ただ、その驚きの種類が異なります。
純文学では「なんだこれは?」という驚きで、
エンターテインメントでは「こうだったのか」という驚きです。
どちらにもリアリティが必要
中途半端な知識や、適当に書いてしまうと、プロの人には一発で見抜かれます。
自分に切実なテーマや専門とする知識、あるいは綿密な取材に基づく知識が必要です。
登場人物について
エンターテインメント
類型的なパターン化された人間。意外性はそれほど必要ない。
分かりやすく、複雑さをあえてそぎ落とした人間性。
純文学
人物が複雑。
例えば、ドストエフスキーの罪と罰に出てくる、ラスコーリニコフという主人公は
あくどい金貸しのおばあさんを、殺してしまいます。
悪い婆さんを殺すのは、決して悪いことではないと、ラスコーリニコフは確信していますが、
しだいに罪の意識に苛まれていきます。一般的には正当化される殺人はあるか、
というテーマの小説だと思います。
それに対し、小説ではないのですが、映画にもなった漫画デスノート。
主人公の夜神ライトは、名前を書き込むだけで人を殺せるデスノートを手に入れ、
犯罪者を次々と抹殺していきます。夜神ライトと名探偵との知略の攻防戦がテーマの物語です。
どちらの主人公も悪い人を殺すことは、いいことだ、という信念の持ち主ですが、
ラスコーリニコフは罪の意識にさいなまれますが、
夜神ライトはまったくぶれることなく、殺し続けます。
どちらが純文学で、どちらがエンターテインメントか、今更言う必要はありませんね。
ラスコーリニコフがぶれずに殺し続けてもダメですし、
夜神ライトがくよくよ悩んでもいけないのですね。
ストーリー
エンターテインメント
オチに意外性。こういうことだったのかという驚き。
最初から最後まで、全ての文章がオチに繋がる。
伏線が張り巡らされている。
純文学
ストーリーはそれほど重要ではない。
途中で終わったとしても、そこそこ面白い。その瞬間瞬間が面白い。
また文字数オーバーになりましたので、第5回に続きます。