前回に引き続き、小説を書く上でやってはいけないことです。
以前までの投稿はこちら。
新人賞を取るためにⅠ
新人賞を取るためにⅡ
新人賞を取るためにⅢ
新人賞を取るためにⅣ
新人賞を取るためにⅤ
新人賞を取るためにⅥ
前回と同じように、項目ごとに解説していきます。
視覚の偏重
人間は外界から得る情報の多くを視覚に頼っています。
ですので、小説も見たものを書きがちになります。
それはそれでもちろんいいのですが、他の感覚も忘れずに書いていくことが必要です。
音、味、臭い、感触、温度、痛み、など、人間にはたくさんの感覚があります。
例えば、食べたことのない物を、食べたいと思わせるほどの表現ができるといいでしょう。
因果関係
純文学に限ったことかもしれませんが、過度の因果関係はないほうがいいです。
あくまで現実が許容する範囲に納めましょう。
ナントカ なので ナントカ です。
というようなつながりは、あまり考えないほうがいいです。
逆に
ナントカ なのに ナントカ です。
と考えたほうが、驚きに繋がるので、良いかと思います。
なぜだ? と読者は思います。
なので、だから、とどんどんつなげていくと、
なんだかうそ臭くなりますよね。ホントかそれ? と思ってしまいます。
作者のご都合主義に思えてしまうのですよね。
そういう場面が1箇所でもあると、小説全部が台無しになってしまいますので、
気をつけましょう。
もちろん、前後の関連が全くない、なんてことも不自然なので、
当然、なので、だから、と言わなければならない場面があるでしょう。
しかし、なので、だから、と言う言葉はなるべく使わないほうがいいでしょう。
というより、そういう前後で意味が反転しないような接続詞は、
使う必要がないのです。
「母が入院した。だから、私は病院に向かった」
この一文を以下に変えても意味は通じます。
「母が入院した。私は病院に向かった」
ではこれはどうでしょう。
「母が入院した。私はオフィスに向かった」
意味分からないですよね? なぜオフィスに向かうのだろう、と思うわけです。
当然意味が通じないので、しかし、とか、だが、と入れたほうがいいでしょう。
「母が入院した。しかし、私はオフィスに向かった」
こうすることで、物語が動き出します。
母の見舞いにいけないほど忙しいのか、あるいは私はあまり母と仲良くないのか、
など、色々と考えることが生まれてきます。
最初から最後まで、全て因果関係で結びつけるのは、意外性もないですし、
ご都合主義になりがちなので、避けたほうがいいでしょう。
エンターテインメントはもちろん正反対ですね。
むしろ、全てが因果関係に基づいて構築されます。
もちろん、ご都合主義はダメですが、それを思わせない手法が必要になります。
これで、このシリーズは終わりです。
人から伝え聞いたり、本で読んだことを私なりにまとめましたが、
これが全てではありませんので、あんまり鵜呑みにしないでください。
こんなこと言っている奴も、いるんだな程度でよいかと思います。
純文学系の新人賞で大切なのは、
新しい驚きをもたらす大いなる問い
がその小説に含まれているかどうかです。
それが独りよがりにならず、ひょっとしたら自分もそうなのかもしれない、
と思わせるような、個人的な問いです。
たくさん本を読み、もう一度、自分に問い直してみてください。
それでいいのか? 何か不足していないか?
ほとんどの人は、現状に満足していないでしょうし、
なぜ満足できないのかを考えているでしょう。
それを深く考えることによって、問いが生まれるかもしれません。
あなたが疑問に思っていることは、実は皆が無意識に感じていることかもしれません。
もし、それを表現できたら、大きく新人賞受賞に近づくでしょう。
このシリーズでは小説の技法や、書き方などに関してほとんど触れませんでした。
私はそんな偉そうなことを言える立場ではないのですが、
もし機会があれば、そういうことに関して、私が思うところを書いていきたいと思います。
個人的には、小説が上手になるためには、ちゃんと読むということが重要だと思います。
読んで感じること。
そして、一番重要なのが、同じ本を読んだ他人は、どう感じているのか、を知ることとだと思います。
なんかうまく書けない、誰にも評価されない、という人は、
小説がうまく読めていない可能性があります。
よく書ける人は、どう読んでいるのか、それを知ることで、
その人の感覚に、自分の感覚をすり合わせていくことが出来、
それが結果的に自分の書いたものに反映されていく場合があります。
読書感想文などを書いてみるのも良いかもしれませんね。
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