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犬は人に従順でかわいいから
いつのまにか家族の一員となる
それでも
急な災害の時は犬の命より人の命が優先する
また犬は家族のなかでも
その犬なりに本当の主人を見定め
家族でも順位を決めるという
人の家族には
本来順位などない
はずだ
家族の命の重さに差なんかない
はずだ
だが生活上の権威という意味なら
なんとなく何かがある
年齢の差というなら
老齢化するほど家族間でも価値は変化する
若くして病気ななれば
とても心配で
よほど老人ならその度合いは小さい気がする
死んだ母親が言っていた
人の間の一番の不幸は
年齢の順番が狂うことだと
自分が親になり
多くの歳月を重ねてきてみると
その言葉の
途方も無い重さが
確実に
生きることの覚悟となった
そして
それに加えて
母親と父親との命の重さにも差があるのではないか
という感覚を
抱くようになった
子にとって
生まれた時からずっと触れ合ってきた
母親との感情の交流
何ものにも優る目に見えぬ結びつきの糸は強いのだろう
人は感情の動物なのだ
母親が死んで
自分が感じた気持ちだから確かだろう
それでも父親には父親の役割は残される
孤独ではあるが